ギャラリーフィルモ 足達奈穂写真展 apart

apart

フォトグラファー
足達奈穂が、
オーストラリアで
見つけたこと。

2021年4月28日から5月4日まで足達奈穂さんの写真展「apart」が、世田谷・千歳烏山のギャラリーフィルモで開催されます。

「apart」という言葉には、“離れて”という意味がありますが、足達さんはどこから離れて、そして何を見つけたのか?

展示開催を控えたご本人に伺ってみました。

聞き手:児玉 浩信(ギャラリーフィルモ)

足達 奈穂

ドイツ生まれ、幼少期時代をアメリカで過ごす。2018年よりオーストラリア在住。2021年帰国。2019年、東京メトロ×AND STORYの地下鉄車内広告写真を手掛けシドニーにて個展”boys in tokyo sentimental”を開催。日豪プレスにて写真コラム「脇道」連載中。
https://www.naoashidachi.com

東京に恋して

――

今回の展示 "apart" ではオーストラリアで撮影された写真が展示されます。オーストラリアに行くことになった経緯を教えていただけますか?

足達
夫の転勤で2人の子供を連れて、2018年春に日本からオーストラリアに引っ越しました。
――
東京を離れることになった時はどんなお気持ちでしたか?
足達
率直に言うと絶望でした。リアルに泣きました。笑
――
それほど東京が好きだったということですよね。みんなが憧れる海外暮らしですが、奈穂さんにとってはそうじゃなかった。
足達
海外転勤はシドニーが初めてではなく、その前に5年間シンガポールにも駐在していたのでもう勘弁してよという気持ちです。
東京でやりたいことが山ほどあったし、ようやく日本の土地で落ち着いて暮らせると思っていた矢先だったので。
夫が先に渡豪し、私たち母子は1年の猶予をもらってその後シドニーで合流しました。
――
オーストラリアに渡ってみてどうでしたか?
足達
ちょうどシドニーで暮らし始めた時に書いたnoteを読み直してみました。
題名は “lost in translation with two tiny humans” とあるように、「せめてもlost in translation のスカーレット・ヨハンソンを演じてないとメンタル崩壊で」と書いてありました。(映画 lost in〜が大好きです )
――
ソフィア・コッポラ監督の作品ですね。好きな映画が心の拠りどころになっていたと。
足達
忙しい夫とは正反対に何もやることがなく、2人の子供と異国の地の高層マンションにてぼんやりと過ごしていました。
笑っちゃうくらい後ろ向きでしたね。
葛藤する時間も人生には大事、と最後に締めくくっていました。
一応逃げ出さない覚悟はしていたようです。

noteのリンクはこちら
> lost in translation with two tiny humans|nao ashidachi|note
――
noteでも「自分の興味はほぼ東京という街であって…」と書かれていました。奈穂さんにとって東京はどういうところでしょう?
足達
常に憧れている場所です。亡くなった母が東京の街がとても好きで色んなことを教えてくれたので、その影響が大きいと思います。
オーストラリアに行く前までそれこそ東京が私の全てでしたが、今は東京以外にもたくさんの場所に訪れてみたいという心境の変化がありました。
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オーストラリアや東京以外の奈穂さんの写真、見てみたいです。