海辺のまちに雪が降った日






海の近くに住んでいた頃、年始めに雪が降った
南国の風景に降る雪に故郷を思い、なんだかちょっとセンチメンタルな気分になった




浜辺にだんだんと雪が積もる




誰もいない





誰かいた





この日の寒さ、海までの道、匂いをおぼえている

帰ってきたら、ベランダも寒そうだった
海辺のまちの暮らし、海にたくさん行くときもあれば、ぱったり行かなくなるときもある
よっぽど海が近いか、マリンスポーツをやっているなら別だけど、実は海から家まで割と歩く人のほうが多いから
もう何ヶ月も行ってないっていう人もたくさんいると思う
ただ、この日は、しばらく行っていない人ほど、海の雪を見に行ったんじゃないだろうか

わたしもその一人だった

世田谷・千歳烏山のギャラリーフィルモ店主。フィルムカメラをはじめとした、ノスタルジックな写真好きを集めて、日々何かを企てている。

