ほんとに、私のこと見えてる?
小夏ひなさんの個展「ほんとに、私のこと見えてる?」が、2024年2月16日から18日の3日間にわたって開催されました。
小夏ひなさんの姿を写し取った写真展示です。
メインビジュアルと「ほんとに、私のこと見えてる?」というタイトルをいただいた時、ギャラリー運営者としても、一人の鑑賞者としても、胸を突かれたような思いでした。
ほんとに、自分は、表現された作品のこと、そしてその作品を生み出した作家さんのことを、見えているのだろうか?
そんなことを思いながら、展示を拝見いたしました。
当ギャラリーはその外観から、かわいいと言われる作品が多く展示されます。
だから、ギャラリーではよく「かわいい」という声を耳にしますし、運営者の私自身も普通に使っている言葉です。
小夏ひなさんの写真に対しても、そう言うのは簡単です。
しかし、例えば下記のように泣いているような笑っているような、何か感情を刺激されるような写真に対して、かわいいだけでは足りません。
展示全体を通して、私はこの写真が展示されていることが、小夏ひなさんという人を表現しているのではないかと感じました。
「ほんとに、私のこと見えてる?」
言葉だけ切り取ると、見ている人に対する疑心暗鬼ともとれます。
でも、見ている人に対して、素直な感情が漏れた瞬間の写真を展示するということは、見ている人を実は信頼していた証ではないかなと思いました。
ほんとに、私のこと見えてる?…どうせ見えてないんでしょ。
そういった言葉で帰結するのであれば、先程の写真を展示することはなかったのではないか。
勝手ながらそう感じました。
かわいいという言葉しか出なくても、かわいいという言葉すら伝えられなくても、自分のことを見てくれている人がいる。
そう信じていたから、自分の素直な姿の写真を展示されたのではないかと、そんな風に思いました。
この日、小夏ひなさんを見てきました。
ここに記した記録は、あくまで運営者の私自身の感じたことであり、これで小夏さんのことを見えていたのどうかは分かりません。
だけど、小夏ひなさん自身は、ほんとの自分をここで表現してくださっていたのではないかと思います。
そんな場所として、ギャラリーフィルモを選んでいただいたことは、運営者としてこの上ない喜びです。
展示を開催していただき、ありがとうございました。
またどこかで、小夏ひなさんを見たいです。
いや、見ます。
【会期】2024年2月16日〜18日